玉藍工房について
私たちの想い
惜しみなく愛情を注いでくれる太陽のもとで、
長い年月をかけて土が作られ天から恵の雨が降り、作物が育つ。
自然の力があってこその藍仕事はひと手間を惜しまないことで、
より一層深みを増して、自分だけの色に染め上がります。
藍の葉を育て染料を造る。
藍を建ててお世話をする。
自由に絞って模様を作る。
糊で伏せて型を染める。
糸を染めて布を織る。
沖縄の染織文化に魅了された私たちが、
藍職人や染織家を志す中で得た経験を活かし、
琉球藍や染織の楽しさをお届けいたします。
発酵建てへのこだわり
藍染めに必要かつ重要なのが【 藍建て 】です。
藍染めは、酸化と還元の化学反応によって染まります。
還元状態の液の中に溶けた藍の色素が繊維に付着し、
空気に触れて酸化反応を起こすことで固まり、青く発色します。
藍の葉から取り出された色素であるインジゴは、
水に混ぜても溶けない性質を持ち、
取り出したままの状態では染めることができません。
アルカリ性の液を用意し、一定の条件下で還元させ、
その状態を安定させることで液に色素が溶け、
ようやく藍染めができるようになるのです。
この状態にする工程を【 藍建て 】といいます。
藍建てにはさまざまな方法がありますが、
玉藍工房では天然藍の魅力を感じてもらえるように、
化学薬品には頼らず、古くから伝わる木灰汁を使った【 天然灰汁発酵建て 】にこだわって、
毎日欠かさず藍甕の管理を行っております。
藍建てをした液の中には、発酵を助ける微生物が棲んでいます。
藍甕の温度とpHを維持することで発酵を促し、還元状態を維持しています。
微生物は日々の活動でおなかを空かせるため、
栄養(エサ)には沖縄県産の小麦フスマと糖蜜を使用。
(たまには泡盛も飲ませたり。)
目には見えない微生物のご機嫌を伺い、
目で色を確かめ、匂いで状態を確かめ、日々お世話をします。
微生物のお世話と一緒に、pHの維持管理を行います。
pHの維持に使用する資材も沖縄県産にこだわり、
県産木材から出来た木灰で作った木灰汁と、沖縄県産の消石灰を使用。
消石灰もまた、サンゴや貝などの死骸から長い年月をかけて出来上がった貴重な地域資源です。
地元由来の資材と微生物の力を借り、毎日の維持管理を通して
皆様に藍染めを提供しております。
・
日々繊細に変化する藍染液への負担を考慮して、
藍染体験は1日につき2組、最大6名様までとさせていただいております。
午前中で定員に達した際には、午後の部の受け入れができない場合がございますが、
ご容赦くださいますようお願いいたします。
※ 7名以上でのご利用の場合は、指定メニューでのご案内となります。
事前にお問合せください。
メンバー紹介
池原 幹人|IKEHARA MASAHITO
自然豊かな本部町伊豆味で、琉球藍の栽培から染織まで一貫して行なっています。
一人規模の小さな工房ですが、土づくりに始まり、藍を栽培して、染料を作って、藍を建てて、染めて、織る。
自分の手で一から作品を作り上げていくのが、この仕事の大きな魅力です。
私がこれまで学んできた琉球藍や染織の楽しさを多くの方々と共有していきたいです。
沖縄県宮古島出身
・沖縄県立芸術大学 非常勤講師(琉球藍研究)
令和元年度〜現在
・令和元年度 高度工芸技術者特別研修(織物)修了
・令和2年度 高度工芸技術者特別研修(織物)修了
・令和3年度 高度工芸技術者特別研修(織物)修了
藤澤 和枝|FUJISAWA KAZUE
織物の種類と技術が日本一の沖縄で染織を学びたくて4年前に関東からやってきました。
工芸振興センターで2年間充実した指導を受けました。 いろいろな植物から色を頂き、先人達の技に少しでも近づけるよう、一生勉強していきたいです。モットーは、人との出会い、草木染めの色、織色、その他 何でも楽しく!臨機応変!
染織の楽しさを少しでも伝えられたら嬉しいです。
茨城県出身
・令和2年度 高度工芸技術者研修(織物)修了
・令和3年度 高度工芸技術者特別研修(織物)修了
與那嶺 利菜|YONAMINE RINA
沖縄県立芸術大学・大学院で織物を学び、大学非常勤と工房勤務ののち、玉藍工房に参加しました。
絣織物を主軸に個人制作に取り組みながら、玉藍工房を通して私ができる仕事を模索しています。
工房で琉球藍を勉強する中で、皆さまと感動の瞬間に立ち会えることを楽しみにしています。
沖縄県出身
令和7年
・第76回沖展織物部門 うるま市長賞 受賞
令和5年
・第74回沖展織物部門 入選
令和4年
・第73回沖展織物部門 e-no新人賞
・第96回国展工芸部 工芸部奨励賞